ロボットものづくり体験演習
振動モータを用いた移動ロボットコンテスト
目的と内容
近年、携帯電話などマイクロコンピュータ(マイコン)を用いたモバイル機器が身近な機器になりつつある。携帯電話はバイブレーション機能など振動モータなどの機械(メカ)部と電子回路(エレクトロニクス)部を融合したメカトロニクス機器である。また、機械の代表であった自動車にさえ、エンジンの給排気弁の制御や軌道制御などにマイコンが使用されており、身近にある家電製品でマイコンを使用していないものを見つけ出すのは困難な状況にある。 ロボットものづくり体験演習では、メカトロニクス系の『ものづくり』に必要な電子回路技術やマイコン技術の習得を目指し、日立製のマイクロコンピュータH8/3664(左図)を用いた実習を通じて、マイコンの使い方を学ぶ。具体的には、携帯電話の振動モータ(右図)をマイコンやトランジスタを用いた電子回路を設計し、直進や回転運動を行う移動ロボットを製作する。また、製作したロボットを用いた『ロボットコンテスト』を行う。
講義予定
1~2週 :マイクロコンピュータとライターボードの製作3~5週 :マイクロコンピュータの使用法 ← プログラミング(C言語) 情報系
入/出力(I/O)ポート機能、タイマー機能
6~8週 :モータ駆動回路製作 ← 電気・電子回路 電気系
トランジスタによるモータ駆動回路の設計・製作
9~10週 :ロボット筐体設計・製作 ← 機械系の設計 機械系
ロボット本体のサイズ、振動モータの取り付け位置
11~13週:2~3名による班別のロボット競技 ← 性能試験 実験・評価
(競技内容)20cmの直線移動距離、1回転の動作時間、任意経路
の移動
14~15週:レポート作成
制御プログラム、設計のコンセプト&アイデア等を示すレポート
ロボコン・ルール
マイコンで制御される振動モータを用いた移動ロボットを製作し、直線移時間と1回転の移動時間を計測し、最も早いチームの勝ちとする。ただし、各競技(直線、回転移動)に対し、マイコンに書き込むシーケンスプログラムは変更してもよいが振動モータの配置を変えた場合は「反則負け」とする。共通使用部品
マイクロコンピュータ(H8/3664)、振動モータ(FM34F)、8chダーリントンシンクドライバ(TD62084AP)、ロボットの筐体にはなにを用いても良いが競技終了後作品として提出するため返却されない。コンテスト内容
①直線移動タイムトライアル②一回転移動タイムトライアル
③自由演技(□、△などのトレース)
単位取得条件
・マイコンのライターボードの設計・製作ができ、C言語で作成したプログラムを書き込むことができること。・マイコンのプログラムを変更し、PWM信号により所定の電圧出力ができること。
・マイコンや振動モータを用いた移動ロボットを設計・製作し、直線もしくは回転動作ができること。
講義の様子
2021年度 < 1|2|3|4 >2020年度 < 1|2|3|4 >
2019年度 < 1|2|3|4 >